暮らしの節目に、何か新しいものを庭に迎えたくて――
そんな気持ちから、数年前に父が園芸店で小さな苗木を買ってきました。
白とピンクが混じった花が咲く、きれいな花桃らしいよ」と、うれしそうに話していた姿を、今でも覚えています。
その苗木が、今の我が家の花桃の木。
庭の隅にそっと植えてから、もう5年ほど経ちました。
花桃の木の様子
空を背景に、大きく枝を広げる花桃の木。
まるで手を広げるようにして葉を茂らせた、その堂々とした姿です。
太くなった幹が二股に分かれ、ぐっと空を支えるように立ち上がっています。
その上には、ぎっしりと葉をつけた枝が広がり、光を受けていきいきと輝いて見えました。

曇り空の下でも葉が濃い緑色を保ち、しっかりと息づいているのがわかります。
まるで、空を見上げながら何かをじっと待っているようにも見えて――
それが「花の咲く日」なのか、それとも別の季節の変わり目なのか…
静かだけれど、たしかな意思を感じる立ち姿です。
一度は倒れたことがあるとは思えない、力強さ
実は、途中、一度だけ倒れてしまったことがありました。
細い幹がぐらりと傾き、「もうダメかもしれない」と思ったこともあります。
けれど、そっと起こして支柱を立ててあげると、ゆっくりと根を張り直してくれて…
今では、しっかりと立って、毎年変わらず葉を茂らせています。
それでも、まだ一度も花を咲かせたことはありません。
白とピンクの混ざった花を想像しながら、春になるたび枝先を見上げています。
「今年こそ咲くかな」
「まだかな…?」
そんなふうに、少し期待しては、また次の年へ。

もしかしたら、あのとき倒れたことが原因なのかもしれません。
でも、それでも枯れずに、まっすぐ生きているこの木を見ていると、
「咲かない今」も、ちゃんと意味があるように感じるのです。
アブラムシは、毎年どこからともなく現れます。
これまでは、庭の手入れのついでに、花桃にも薬をまいてくれていました。
でも今年は、はじめて自分の手でスプレーを握ってみました。
「がんばってね」
そんな気持ちで枝に向かい合う時間も、なんだか愛おしく思えました。
まだ花は咲かないけれど、
それでもこの木には、たしかに「我が家の時間」が積み重なっています。
いつか、白とピンクの花がふわりと咲いてくれるその日を、気長に待ちたいと思います。

アブラムシ対策とブラックベリーの様子はこちらのページをご覧いただけると嬉しいです。
育成Q&A
こんなに元気そうなのに、花が咲かないことなんてあるんだね
あるんだって。花桃は、苗木から育てると開花まで数年かかることがあるみたい。
うちのはもう5年…
それでも、5〜7年ほどかかるケースも珍しくないって。
環境の変化や成長の個体差でも違ってくるそうだよ。
一度倒れたのが影響してるのかな。
可能性あるね。根がダメージを受けて、まず「生きること」にエネルギーを使っているのかも。
花桃の木が咲かない3つの理由と対処ヒント
花が咲かない理由として、以下のような要因が考えられるようです
① 剪定のタイミング
花桃は夏ごろに翌春の花芽をつけるため、
冬に強く剪定してしまうと、花芽まで切ってしまうことに…。
剪定は「花が終わった直後〜夏前」までが基本のようです。
我が家では、毎年、なんとなーく剪定をしています。
伸びてきたら切る!というスタイルだったのですが、今後は剪定の時期にも注意したいと思います。
② 肥料バランス
葉は元気なのに花が咲かない…という場合、窒素肥料の過剰も原因に。
窒素は葉の成長を促しますが、多すぎると花芽形成が抑制されることもあるようです。
リン酸やカリウム多めの肥料を使うと、花付き改善が期待できます。
我が家では、今の所肥料は与えてないです。
今後は、花芽用の肥料を少し意識してみようかと考えています。
③ 木の若さ・環境の変化
花桃は、木がまだ若い場合や定植直後の環境変化があった場合、
開花までに時間がかかることがあります。
我が家のように一度倒れて植え直した場合は、しばらく様子を見守るのが良さそうです。
なんだか、咲かないのがダメなことじゃないって思えてきた。
うん。「咲く日」がきっと来るって信じて、これからも見守っていこうね。
参考にした情報・サイト:
お庭の窓口┃花桃の剪定方法と育て方完全ガイド
ちょこっと感想
いつ咲くのか、そもそも咲かないのか。
それでも見上げるたびに、心がゆったりとする気がして――。
この木が、私たちの暮らしの中で育ってきた証なのだと思います。